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第三回シマッチュ先輩の情熱教室 マザーホーム代表・深田剛の授業まとめ(2)

持ち前の独立心を胸に、数々のビジネスを立ち上げては潰して来た男、深田剛。その過程で得た教訓をまとめてみます。これらの教えは島ではもちろんのこと、広く日本、世界へと仕事を広げていく際にも土台となる考え方でもあります。

第三回シマッチュ先輩の情熱教室 マザーホーム代表・深田剛の授業まとめ(2)
▲「この図書券欲しい方いますか?」深田から突然の会場への問いかけに、パッ!と手が挙がりました。頭より先に身体が動く人は、チャンスを捕まえやすい。「チャンスの神様には前髪しか生えていません」



第三回シマッチュ先輩の情熱教室 マザーホーム代表・深田剛の授業まとめ(2)
▲前出の質問に咄嗟に手を挙げ、図書券をゲットしたのは「チョウハン君」。他にも積極的に質問をするなど、その前向きな姿勢に大物の片鱗?


小さな一番を積み重ねる
20 代で父の会社の印鑑と通帳、それに多大なる借金を受け継いだ深田剛。前途多難の先行きの中で、父から学んだ「島式経営学」が進むべき指針となります。

・借り入れをしてはいけない
・手形を振り出してはいけない
・下請けをしてはいけない
・相見積もりに参加してはいけない
・木造一本に徹する
・エリアは北大島のみで

これら一見キツい縛りのように見える「戒め」は、結果としてビジネスの焦点を絞ることへと繋がり、「マザーホーム」の強みを生み出していきます。始めはコンクリでも鉄骨でもなく木造だけ。工事エリアも北大島だけ。小さな小さな一歩を積み重ねて、それを土台に次のステップへと進む。小さな会社は小さく絞って勝負をしないと、勝ち目がありません。
また、下請けをしないという考えも事業の大きな推進力になりました。下請け仕事も大切な仕事であり、確実な収入を得やすい手段ではありますが、同時に他社に自身の生存権を握られているようなもの。立ち上げ当初は苦しくとも、自ら仕事を考え生み出し、それを育てていくことが大切になってきます。

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▲勢いだけではなく、コピーライティングやマネジメント、マーケティング能力も自らの進む道を助けます。


お客さんと直接ビジネスを

昔の奄美は人口も多く商圏として独立性があったので、マーケティングはそれほど重要ではありませんでした。しかし現在では時代による社会構造の変化もあり、しっかりとしたマーケティング、メディア戦略を行なうことが重要になっています。そして大切なのが、顔が見える商いをすること。

例えば、島の銘品である大島紬。その品質が素晴らしいことはシマッチュであれば誰もが知るところですが、残念ながら産業としては衰退しています。衰退のひとつの要因として、大島紬が京都の問屋を介して売られていたことがあるのではないかと深田剛は考えます。

大島紬を扱う奄美側の業者が直接エンドユーザーとの繋がりを持っていなかったため、アフターフォローや新しい製品の紹介など、購入者との継続的な接点を持つことが出来なかったわけです。

これは建設業界、その他あらゆる業種にも言えること。消費者とフェイス・トゥ・フェイスで向き合いながらビジネスを行ない、継続的な関係を築いていき、それに加えて時代に即したメディア、広告戦略を織り交ぜていくことが大切になります。


第三回シマッチュ先輩の情熱教室 マザーホーム代表・深田剛の授業まとめ(2)
▲20 代の若者に囲まれ記念撮影。今日の授業は参考になりましたか?


第三回シマッチュ先輩の情熱教室 マザーホーム代表・深田剛の授業まとめ(2)
▲何事もまずは話をすることが人間関係の基本ですよね。


頼まれごとは試されごと
今では介護、エネルギー、金融、保険など11 事業部を持つまでになった「マザーホーム」。しかし決して拡大路線を突っ走っているわけではなく、「今困っているのですが、深田さんこういうのが出来ませんか」という周囲の声にその都度応えていたところ、現在のように多岐に渡る事業を行うまでになりました。

「頼まれごとは試されごと」とはよく言ったもので、他人からの頼まれごとは大きなチャンスであり、自身が目を向けていなかった新しい分野への挑戦のきっかけともなります。


第三回シマッチュ先輩の情熱教室 マザーホーム代表・深田剛の授業まとめ(2)
▲飲みの場から生まれる出会い、頼まれごとも多数。こうした偶然の出会いを大切に。


ゆがみを見つける経営センス 奄美の強みを見極める

例えば介護事業では、利用料は介護保険により国が9 割、利用者は1 割の負担になります。当然、東京でも奄美でもお年寄りは同じ1 割負担となるわけですが、事業者側の視点で見ると、奄美では東京に比べて家賃、人件費、労務費等が格段に安く済みます。メガソーラー事業の土地、人件費なども同様です。

こうした経済の「ゆがみ」が見える人はビジネスに向いていると言えます。東京でやらずに奄美でやったほうが有利なビジネスというのは多数あります。離島だから奄美はビジネスに不利だと考えずに、奄美の利点、強みを洗い出してみることが大切です。


第三回シマッチュ先輩の情熱教室 マザーホーム代表・深田剛の授業まとめ(2)
▲飲みが深まり、すっかり仲良くなった「情熱教室」一行。次回の集いも楽しみ!


足るを知れば富む
20 代から30 代前半にかけて自分を過信し、思いつくあらゆることをやっては失敗し、ついには倒れてしまった深田剛。どん底に落ちた時に初めて気がついたのが、親兄弟、家族がいる幸せ、そして身体が健康で自由に動ける幸せだったそうです。

ビジネスの世界では野心が尊ばれ、本能としてより大きな成功を求めてしまいがちです。しかし目の前にある幸せを知り、自分にとって本当に大切なことが何かを理解していれば、自ずとビジネスにおいても進むべき道が見えてくるはず。

若い頃の回り道や躓き(つまずき)があったからこそ、現在の島の生活に有り難さを感じ、シマッチュとしてのスピリッツを持って生きていける。今後、島の内外で活躍していくであろう大阪・シマッチュを前にして深田剛が伝えたかったことは、目の前の当たり前のことに感謝し、家族や仲間を支えに生きていく、そんなシマッチュの心でありました。

ご来場頂いた皆様、ありがっさまりょうた!


文と写真 渡辺陽介



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